神戸医療産業都市に本社を置くカルナバイオサイエンスは28日、2015年12月期の最終損益が3億6400万円の黒字(前期は8億4600万円の赤字)になる見通しだと発表した。カルナバイオが開発した医薬品候補の化合物を巡り、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)系の医薬品会社とライセンス契約を結んだことで得られる一時金を織り込んだうえで、全社での見通しを開示した。

 同社はこれまで、創薬に関する権利を供与する相手先に契約金などの想定額を知られてしまうのを避けるため、今期の業績予想を開示してこなかった。ただ、米J&J系企業との契約も結び、一時金を得られる見通しも立ったことから、8月7日に控える1〜6月期の決算発表を前に今期予想の発表に踏み切ったようだ。

 今期に黒字を確保できれば、2008年の株式公開以来、初めての最終黒字になる。ただ、業績予想の発表を受けた29日の東京株式市場でカルナバイオ株は急落。取引所が定めた値幅制限の下限(ストップ安)まで下落した。

 米J&J系企業とのライセンス契約を発表した6月以来、カルナバイオ株は期待先行で買われていたため、業績予想の発表が材料出尽くし感(これ以上の株価を刺激する材料は当面出てこないだろうとの見方)につながったようだ。結果として当面の利益を確保しようとカルナバイオ株を売りに出す投資家が増えたとみられる。